猫好きダイアリー

no cat no life

映画「幼な子われらに生まれ」の話。


少し前ですが、映画「幼な子われらに生まれ」を見ました。

 

思いきりネタバレ予定なので、見たい方は読まないでね!!

 

 

離婚をした主人公(浅野忠信)は、前の妻(寺島しのぶ)との間に女の子の子供がいる。

再婚した妻(田中麗奈)には2人の連れ子がいるが、上の子は何かと主人公に反発するようになり、一人だけ家族の和からはずれていく。

 

そんな折、妻の妊娠がわかる。

こんなうまく行っていない家族の状態で、もう一人子供が増えるなんて、うまくやっていけるのだろうか?と、かなり悩む主人公。

 

そんな中、仕事で左遷され、本社業務から物流センター業務になり、落ちこぼれのような扱いを受ける。

(本社とか物流センターとかはハッキリ出てこないけど、感覚的にそんな感じでした)

 

そのことは妻には黙ったまま。

 

一方、長女との関係はますます悪化し、何かにつけてつっかかってくるように。

そして「本当の父親に会わせてよ!!」と、激昂するようになる。

 

さらにそんな中、別れた元妻の夫が、末期のガンに侵されていることを知る。

そのために子供との面会ができなくなるというからだ。

(元妻は仕事のキャリアを捨てたくなくて、子供を勝手に堕ろした過去があるという、回想も入る)

 

しばらくして、ある日、会社帰りに娘が待っていた。

喫茶店で話を聞く。

「お父さんが死んでも泣けないかもしれない」と悩む娘。

そんな折に危篤の知らせが入る。

妻の迎えに来た車で、病院に向かう。

社内には主人公、娘、今の妻、その妻の娘。

気まずい空間だった。

 

病院に着き、妻に背中を押される形で、主人公も病室に挨拶に行く。

そして「娘を愛してくれてありがとうございました」とお礼を言うのだった。

 

さて、妻(田中麗奈)の元夫(宮藤官九郎)は、暴力をふるっていた。

そしてその長女はその父親のせいで歯を折るというようなことすらあった。

会いたいなんて嘘だ、と妻は言うが、主人公は「会わせるから!」と約束する。

 

その元夫がギャンブルを興じているところに出向き、会ってもらえるよう説得する主人公。

元妻のことも「あいつ、うざったいでしょ?」と悪態をついた。

 

しかしなんとかして頼み込み、10万円を払って約束を取り付ける。

 

そしていざ、その日が来て、長女は出かけていく。

その後少したち、様子を見に、主人公たちも妻と下の子を連れ立ってデパートに向かう。

 

そこに元夫はいた。

前回会ったときは汚い身なりで髭を生やしていたのに、ちゃんとスーツを着て、髭を剃って。

 

しかしそこで元夫に会うと「長女はここに来なかった」と言う。

結局会わなかったのだ。

そしてそこでプレゼントを預かる。

 

家に帰り、帰宅した長女にそれを渡すと、胸元に名前が書かれたプレートがついた、ぬいぐるみが入っていた。

 

「嘘はついちゃだめって言っただろ?」と長女にいうと、そのまま泣きじゃくった。

 

その後、長女はおばあちゃんの家に身を寄せるようになり、いよいよ子供が生まれるという時に、みんなで病院に向かうのだった。

 

 

☆☆☆

 

終始、重たい空気で進む映画ですが、弱っているときほど重い映画を見たくなる私なので、それもあってこの映画で自分のコンディションを整えようと思いました(笑)

 

すごくね、些細なところがうまいです。

 

クドカンが「あいつうざいでしょ?」と言ったときには流していた主人公ですが、

仕事も子供もあらゆる悩みが降り掛かってきていっぱいいっぱいになっている時に、妻が

「ねぇねぇ私、検診で妊娠高血圧の恐れがあるっていわれちゃったぁ。ねぇ、どうしたらいいと思うぅ〜?」

と言うような、「もうそんなの、気をつけることをやるしかないだろーーー!」っていうような質問とかね、するわけです。

そして主人公も「そんな大変なんだったらもう、堕ろすしかないよ!そうしよう!そして別れよう!」とか言っちゃう。

 

まんまと罠にハマってるな〜と思いました。

 

そして大きく思ったことがふたつ。

 

1つは、元夫のクドカンが、悪態をつきながらも、約束の日にスーツを着て髭を剃ってきたところ。

これホント、私的にものすごく泣けるポイントでした。

いかに家族がうっとおしかったかということを言いながら、身軽は良いわと言いながら。でもちゃんと愛せなかったことに、彼なりの想いを背負っているんだなと。

正直、私、約束自体破ってくるんじゃないの!?先にお金渡しちゃっていいの!?ってすごくヒヤヒヤしたんです。

 

なのにまさかの良い方への裏切りーー!!

 

しかもぬいぐるみまでーー!!

 

もちろん暴力は許されません。

けれど彼の背景を思ったときに、彼自身が育つ環境の中で、いろいろなことがあったんだろうなということを思わずにはいられませんでした。

 

あんなふうに怯えていた子が、自分に会いたいと言っている。

それは彼にとって心を動かされることだったんだなと感じました。

 

そして2つめ。

長女がずーーーっと主人公に八つ当たり的なことをしてくるんですけど、これはね、ちゃんと相手が八つ当たりに付き合ってくれるから成り立つことです。

そうやって愛されていることを試しているだけ。

 

私の父親だったら、むしろ「黙ってろ!」とか言って逆ギレして終了ですから(笑)

 

反抗が成り立つのって、相手が押し返してきてくれたときだけ。

ちゃんと話を聞いてとりなそうとしてくれるから成り立ってるだけ。

 

虚しいですよー。

逆ギレされたり無視されたりというのは。

 

なんだよ〜〜〜めっちゃ幸せなくせに〜〜〜と思いました。

 

それと同時に、大切に大切にされてきたはずなのに、勝手に疎外感を感じたり、勝手に独りぼっちになったり。

 

その物事の大小はあれど、私達はあらゆるところで、こんなような一人相撲を繰り広げてる可能性があるなあと思いました。

 

めっちゃくちゃ話がとぶんですけどね?

 

前にクレイジージャーニーという番組に、マサイ族に嫁いだ日本人女性が出て、そのときに言ってたことで今も忘れないことがあります。

 

「マサイ族は、友人が家に遊びに来たときなど、その友人を妻でもてなす」

 

制度があるのだとか!!!

もてなす、ってあれですよ。

 

で、誰の子供が生まれようと、自分の妻から生まれた子は、自分の実子として育てていくのだそうです。

 

だからホントねぇ、常識っていうのはなんなんだかわかりません。

 

 アインシュタインの言葉によれば、

「常識とは18才までに集めた偏見のコレクション」

とのことですから。

 

今の日本では文化がそうだから、すごく難しいのでしょうね。

 

不倫のことが近頃はすごいですけど、一夫一妻制になったのだって、歴史で見たらまだ100年とかそんなもんですから。

 

いろいろな角度で物事を見る、その努力だけでも怠らないようにしたいなと思います。